番外編


  どーもはじめまして。
  人気コラムニストのハラ君が多忙のため、コラムが更新されずに残念な思いをしているファン達が多いとの声を聞き、このモンスクHPを盛り上げるためにハラ君復活までペンをとることになった友人のゼブラちゃんちゃこりんマン7号です。じゃあ、一発目いきましょうか。

   今回の話は現在にいたるまでオレの心に深い傷跡をつけてしまう事になった、世にも恐ろしい怪物平山相太級の出来事である。
   ある夏の日、当時15歳中学3年のオレは都内の中学に毎日電車で通っていた。何の変哲もないいつもと全く同じ朝だった。いつもどおりにオッサンのオイリーな体臭と女性のシャンプーの香りが混ざった独特のスメルに安心感を覚えながら満員電車に揺られ、中学生らしく朝からエッチな想像をふくらませつつ乗り換えの恵比寿駅についた。電車から降りると、サドンリー、アズスーンアズ、「あの〜、すいませ〜ん…。」と若いオナゴのヴォイスが後方2ヤードから聞こえてきて、ポンと肩をたたかれた。ふり返ると2人の女学生。突然の出来事に驚いたオレは、「チカンはしてないよな?」と自問自答していると、オナゴの1人が話し始めた。「友達が渡してほしいっていってるんですケドォ…」と言ってピンクの手紙を渡してきた。続けてセカンドダウン、「いつも同じ電車に乗ってるんですケドォ…」結論から言うと、それはラヴレター。「いまどきラヴレターなんて…」と心の中でバカにしつつもオナゴ達と別れるとビーダッシュで駅の便所にかけこんで手紙を読んでしまう自分がいた。その手紙には少しばかり遠回しな好意の気持ちと、いくつかの質問、そして最後に『よかったら今日の帰りに会って下さい。』と、かわいらすぃー字で綴られていた。

  午後になって、最後の授業の終了チャイムが鳴った瞬間にコールオンワンで教室を飛び出し、混雑している下駄箱をデイライトしながら学生達をかわして駅まで独走し、電車に乗り込んだ。約束の時間よりかなり早く待ち合わせ場所につくと、コンビニに行ってギャツビーの香水とデップのジェルを万引き…いや、買ってしまっていた。待ってる間に様々な妄想がアタマを駆け巡り、ふと口のタバコ臭さをどうやって消そうかと悩んだオレがとった行動は、さっき買ったギャツビーをおもむろに口内発射。当然リバース、17ヤード獲得。嘔吐しながら待っていると約束の時間の数分前、彼女は現れた。シールビーバック。
  朝のオナゴ2人は友達なので、本人とはもちろん初対面。なんとそのコはキャワイかった。とっても。当時でいうところの内田有紀似。ゲロマブ。場外ホームラン。心の中でドラクエのテーマが流れ始めてしまったオレは、カワグチヒロシ探検隊ばりのスピードでテントを張ってしまったが、あわててたたんだりしていると、1つ年上の高1の彼女はお話ししましょうと、ウェンディーズにオレをいざなった。有頂天で会話は全く覚えていない。そしてついにその瞬間はおとずれるのであった…。
  彼女はせきばらいを数回すると、言葉をきりだした。「もしよかったら…、友達からでいいんで…、お付き合いしてください…。」そのセリフの時、ドキドキしすぎて眼をそらしていたオレは心の中で「こちらこそ。ぜひ、お突き合い…いやいや、お付き合いしましょう。」をかまないように数回繰り返してから、言葉を発するために彼女の顔をしっかりと見つめた。その時だった。 【症例  視診により右の鼻の穴に2本のロングな毛の様な物を認める。呼気時に風にそよいでいる。これをハナゲと断定。彼女は満面の笑顔。】 後頭葉がエクスプロージョン。ジャパンコーマスケール300点。海綿体がアポトーシス。全てが終了した瞬間だった。ボクの心の中のモンスターが…。
  どのくらいの時間死後硬直していたかわからないが、その後の会話は断片的にしか覚えていない。ただ1つの事実は、その後彼女と会うことは二度となかった。
  オレも彼女とお付き合いしたかった。かわいかったし、いいコっぽかった。ただ、あの瞬間に出会ってしまった2本のロングなハナゲ。その驚異的なダークサイドのフォースでオレの心を閉ざしてしまったハナゲ。一期一会を崩壊させたハナゲ。
  それはまさに、ヒョードルのパンチをくらい、室伏にハンマーで殴られ、窪塚と一緒に9階から転落したような衝撃が脳天に響き渡ったのだった。
  このせいでオレは今でも好きなコやお気に入りのコができて仲良くなっても、だんだん近くで顔を見ることが恐くなってしまう。見えてしまうかもしれないハナゲにおびえて。

  というわけで、世の中のオナゴ達、勝負時のハナゲだけはさけよう。友達なら言ってあげよう。これ以上犠牲者を増やさないために…。アーメン。

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